history
歴史文化施設

向雲寺

向雲寺は時宗の寺院で、正和元年(1312)に他阿上人が諸国を遊行し民衆を教化してまわったときに、この地の人々が転宗したと言われています。何度か火事に見舞われており、現在の本堂は寛政九年(1797)に建てられたものです。明治六年(1873)には向雲寺を仮校舎として明義学舎が創設され、明治8年(1875)に小学大知波学校と改称しました。

向雲寺のお観音様

向雲寺の境内に、地元の人々が「おかんのんさま」と呼んでいる観音堂があります。むかしむかしのこと、このお観音さまは隣村のある家にまつられていたといいます。ところがある夜、お観音さまがこの家の主人の夢枕に立って「南のほうに行きたい。南のほうに移してくれ。」と言いました。その夢が何度も続くので、主人は南のほうに住んでいる親戚の家にまつってもらいましたが、またその家の主人の夢枕に立ち「南のほうに移してくれ。」といいました。そこで主人はカン寺山の頂上に小さな祠を建ててそこにまつりましたが、また夢にお観音さまが出てきました。そこで向雲寺の和尚さんに相談して、カン寺山の南にある向雲寺にまつってもらいました。そのころには、夢枕に立ってありがたいお告げをしてくれる観音様ということで近隣で大評判になり、お参りの人が押し寄せるように来たといいます。

一覧に戻る